時めく極品大納言

主にゲームの感想置き場 不定期

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経営SLG。第5回ウディコン総合16位、物語性部門3位。

 

スポンサーとして依頼を受け、冒険者を派遣してお金を稼いだり魔王を倒したりしよう!

タイトルのキャッチ―さとシンプルで楽しいシステムに反して重く厳しいストーリーのギャップに驚きました。

 

邪竜を倒す勇者であると予言されたのは昔の話、今は商会を営むヴィンセントが商人として邪竜の脅威から世界を救うための戦いに巻き込まれていく話。
キャラバンの護衛や病気の子供を救う普通の依頼から蜂起した属国の鎮圧・奴隷の調達といったダーティーなものまで、利益を第一とする商人だからこそ受けてもおかしくない依頼があります。

 

以下ネタバレ


「相談」枠の使い方がすばらしかった!!まず読むことの大切さ.txtを読んで目に入ったのが

 

◇ゲームの操作方法
気合です。

 

爆笑。なんて豪快なんだ。
そしてゲームを始めて相談コマンドを実行したらしっかり操作説明があってまた笑う。親切!

このコマンド、受付嬢ヴィシェに尋ねる形で自然にシステム・世界観説明をするためかと思いきや、あんな形で使われるとは。だいぶゲームが進んだ後でも解放されない下2つは気になってはいたのですが、クエスト攻略に没頭してて忘れちゃってました。
結局あと1つがまだ読めないままなのですが、クエスト全クリアが条件だったりするのかな?

 

ストーリーは魔王ヒエロニムス戦まではプレイ前に予想していた「果たせなかった英雄譚のやり直し」に近い流れだったのですが、そこからが本番だった。

勇者とお姫様は末永く幸せに暮らしましたというお約束が許されない容赦のない展開。


特にリベラとレオノーラの最期はしんどかった……
リベラは20年前に暗黒竜討伐から逃げ出さずに挑んだヴィンセントの"もしも"の姿のように思えました。
彼はアルテミシアに国王ハルメンスを倒す存在であると予言されましたが、のちの流れを考えるとそれも時間稼ぎだったのでしょう。反乱の成否にかかわらず殺されてしまうのが悲しい。


レオノーラは邪竜教団に攫われた時点で最悪無言の再会になると思っていましたが、まさかの方向で予想を超えてきました。聖女は子供をつくって血を繋ぐのが役目であるという話があったので、敵がそれをさせないようにするのは理にかなっているのですが、あまりにむごい。最期にヴィンセントが迎えに来て会話ができたのが救い。

 

邪竜の翼報復戦以降の怒涛の襲撃はすごかった。それまでクエストの同時掲載数は2つくらいだったので、「邪竜を倒すもの」以降でクリアするたびに高難度のクエストが次々現れる流れはこれが最終決戦なんだ!って気分が上がりました。


一度は挫折して偽りとされた予言の勇者が、時を経て予言は正しかったのだと証明していくお話になると思っていただけに、ヴィンセントが無作為に選ばれた時間稼ぎの凡人だったという流れは衝撃でした。それがアルテミシアから明かされた後で安心した、これで邪竜を倒すことができると決意を新たにする姿がまぶしい。
「平凡で何が悪い?英雄と呼ばれる力などなくとも、金さえあれば物語の主役になることができる。」
最初のこの言葉が証明できてよかったね。


最終盤では「最後のクエスト」のこなすべきタスクとして死期が設定されていて、「邪竜を倒すもの」の期限が100日なのに対して50日しかありません。締切延長機が使えるのではと思って序盤以降はすっかりご無沙汰になっていたLV1のみなさんでパーティーを組んで遠征してもらいました――が、無駄でした。寿命には勝てなかったよ……
報酬がそれまでとは段違いに高くなっているのが終末っぽいです。世界が終わる瀬戸際に報酬なんてケチっていられないぜ!

最後の選択肢は、悩んだ結果これまでと違う世界を望んで2匹の竜の幼生を殺すを選びました。
これ私が選んじゃっていいのか?という思いもあったので、どれを選択しても影響のないあの終わり方好きです。