スロウ・ダメージ レイ感想
バーとクリニックのダブルワークしてて、仕事後にデスマッチで殴り合うのが趣味のスーパーフィジカル強者。さらに世話焼き属性まで備えている。料理も上手。強い。食べ物の描写が多かったのでお腹がすきました。
以下ネタバレ。真相含む他ルートの情報に言及している箇所は【】でくくってます。
トワと同年代なので、保護者的立ち位置のタクとはまた違った気の置けない友人みたいな関係で大変よいです。
お気に入りなのが生稲さんの絵を描き終えた後、ルーストでのやりとり!
「絵を描き上げた記念に、その1杯はアタシが奢るわ」
「1杯だけ?」
「1杯で十分でしょ、この酔っぱらい」
トワの言い方がもうね~~~甘えた感じなのが衝撃だった!ボイレコ機能あったら確実に保存していた。ください。
そもそも普段感情の起伏が少ないトワなので、からかいのセリフを口にすること自体がもう仲の良さの証明じゃないですか?
それからお宅訪問でお手製の親子丼をごちそうになった後、今が幸せだからこそ失うことが怖いと不安を口にするレイに対して、トワは特に言葉をかけるわけでもなく普通に帰るんですが、去り際にうまかったってお礼を言うところ。
個別ルートに入ったばっかりでまだ踏み込める距離感じゃないけど、どうでもいいわけじゃなくてこの段階でもお互い親愛の情は確かにあるんですよね。
あと印象に残ったのは桐原の絵を描き終わった後のやりとりもかな。
全治一か月以上の大怪我を負ったあと、例のごとく傷が治る前に絵を完成させて満身創痍のトワがタクに何か欲しいものはあるか聞かれて
暴力って答えたところ。
酒と煙草だろうな~と思ってたのでめちゃびっくりした。あとプライベートで相手が一瞬本気にするような冗談が言えるほど情緒育ってなさそうと思ってたので。euphoriaの時は無意識にやれそう。
このルートのトワはからかい成分が多めに配合されているみたいです。こんなお茶目な側面を見せられたらいつでもI love youしてしまう。
個別ルートはレイが父親の借金(億単位)を代わりに返済するよう鷹郷組から迫られ、だんだん追い詰められていくストーリー。
危機的状況で相手をかばうというシチュエーションはタクの個別ルートでもありましたがレイの場合は個別が始まる前chapter2でした。桐原たちの暴力にさらされている時、「つまんねぇんだよ!」と挑発するトワ。
ここがまたかっこよくて!声の響きが全然違うし、普段は風の向くまま気の向くまま、それで死ぬのもまた一興な態度だから意思を持って行動する場面がいっそう輝く。
それからクリニック&バーのスタッフメンバーであるホナミ・ジュンコ・アラタの三人がいい味を出しています。
カウントダウンパーティで大怪我した二人に対して過剰に気を遣わずにわいわいしてたり、全員で仲良しって感じがしてすごくいい。
その後近所の学校に忍び込んで、酒盛りしつつ迎えるとこ。ここのみんなの会話、特にジュンコのセリフが言葉も言い方が思わず笑っちゃうくらい楽しそうでね~。最後の試合で応援に駆けつけてきてくれたのは燃えた!
あとデスマッチ用の立ち絵がかっこいい。特にポニーテールのホナミがいい。
MADエンドではレイがトワを人形のように扱い、傷跡を生かしたボディ・アートを施します。
トワの傷はそのままでも十分アートだとか、euphoriaに成功して体を重ねたときにいくらトワが痛みで喜んでてもやってる方はつらいとこぼしていたのとは正反対です。両親の言葉に縛られ抑圧されたように、同じことをトワに強いているのが因果。されてる当人は人形みたいに生きるのも悪くはないと思っているので、心のダメージが軽減された。
斑目euphoriaエンドで【殴り合いでの痛みにこそ生を感じる生き方には言葉は必要ない】と言われてましたが、レイMadにも当てはまりますね。【ただ違うのは、わかり合えているからではなく、自分を受け入れるだけに存在するモノの意思は考慮しなくていいから理解のために言葉を交わす必要がないという捉え方になっている。言葉を駆使して相手から本音を引き出すeuphoriaに失敗したがゆえの結末にふさわしいですね。】
euphoriaエンドでは今までとは一転、髪型や言葉使いが男性的になっています。これもレイが自分らしさを探している過程で、また変わっていくんだろうな。